オリジナル小説、日常生活についてなど。
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おっかしいーな、なんて声が隣の席から聞こえてきた。
あなたは顔をしかめて、黒の大きな鞄の中をゴソゴソとかき回している。
最初の席替え、隣の席になったあなた。
担任の方針上、半年に1回しか席替えをしない私のクラスで、
席替えっていうのは、結構大きなイベントで。
最初は、初めて一緒のクラスになる子だし、話しづらかったけれど、
そのうち、少しずつ話すようになって、どんどん仲良くなっていって。
いつの間にか好きになっていた、だなんて、漫画みたいな恋愛だけど、
私ってば漫画みたいに美少女じゃないから困っちゃうのよね。
「どうかしたの?」
ドキドキする鼓動、うるさすぎて、あなたに聞こえたりしないかな。
「世界史の教科書、持ってきたハズなんだけど見当たらなくてさ」
「机の中とかは?」
「探した」
「ロッカーとか」
「そこも探した」
うーん、困ったな、なんて膨れるあなたが可愛くて。
でも、一緒に見ればいいじゃない、なんて言う勇気もない私。
「……確か、3組も、今日世界史の授業なかったっけ?」
「お、マジ?」
「多分ね」
「借りてくるか」
あーあ。
せっかく『1つの教科書を2人で見る』なんていう、
最高にドラマチックなシチュエーションが訪れそうだったのに。
自分からそのチャンスを逃すなんて、私ってホントにお馬鹿だわ。
席を立ったあなたに気づかれないように、そっと溜息を吐くと、
あなたは急に動きを止めた。
「…っていうかさ、おまえの教科書、一緒に見るとか、ダメなわけ?」
溜息に気づかれたのかと焦っていた私をよそに、
サラリとあなたの口から紡がれた言葉たち。
「……ダメ、じゃないけど」
「じゃあ、一緒に見せてよ。3組まで行くの面倒だし」
平常心! 平常心! 平常心!
と心の中で唱える私の隣に、座りなおしたあなた。
たとえ、それが本当に3組に行くのが面倒だからだったとしても、
今の私にとっては、どんな愛の言葉よりドラマチックな言葉で。
ああ、また好きになってしまったじゃない。
もう、あと戻りできないところまで、来ちゃったじゃない。
―――今日の世界史の授業は、眠れないわね!
だって、胸の高鳴りが激しすぎるんだもの。
「っていうか、最初から俺は、
おまえに教科書見せて欲しかったんだけど、おまえも結構鈍感だよな」
授業終わりに、黒の大きな鞄から、
世界史の教科書をチラリと見せたあなたに、
私が思いを伝える日はそう、遠くない。……………× 以下、コメント返信です。
謳雅さん*
コメントありがとうございます。 こちらこそ、HNWではお世話になっています。 可愛いだなんて…! ありがとうございます。 ほのぼの大好き人間なので、 そう言って頂けると凄く嬉しいです^^ 良ければ、また遊びにいらしてくださいね。 では。 PR |
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